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たばこと健康

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 記事ID:0166005 更新日:2025年5月21日更新

たばこと健康

「たばこは体に悪いと聞くけど本当なの?」「周りの人は吸っているけど私は吸っていないから大丈夫?」
たばこと健康には深い関係があります。たばこと健康について正しく理解して、たばことの付き合い方を考えてみませんか?
夫婦

たばこの健康への影響について

たばこの煙の中には、たばこそのものに含まれる物質と、たばこに含まれる物質が不完全燃焼することによって生じる化合物、あわせて約5,300種類の化学物質が含まれており、この中には約70種類の発がん性物質も含まれており色々な病気を発症することが明らかになっています。また、日本人の年間死亡者は自ら喫煙すること(能動喫煙)によって約13万人、周りの人が喫煙した煙を吸ったこと(受動喫煙)によって約1万5千人と推計されています。
その他、喫煙する集団は喫煙しない集団に比べ平均余命が約10年短いとの報告もあります。

・喫煙している本人がなりやすいがんの種類(レベル1:科学的に因果関係が明らかなもの)

喫煙している本人がなりやすいがんの種類(レベル1:科学的に因果関係が明らかなもの)

・喫煙している人の周りの人がなりやすいがん(レベル1・レベル2)

喫煙している人の周りの人がなりやすいがん(レベル1・レベル2)

※レベル1・・・科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である
​  レベル2・・・科学的証拠は、因果関係を示唆しているが十分ではない

出典 国立がん研究センターがん情報サービス ウェブサイト「がんの発生や治療へのたばこの影響」
         厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」

慢性閉塞性肺疾患(COPD)って何?

COPD(慢性閉塞性肺疾患:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。主に長期間の喫煙が原因とされる肺の炎症疾患で、喫煙習慣のある中高年に発症する生活習慣病です。
最初は咳(せき)や痰(たん)、息切れなどの症状があらわれます。進行すると、慢性的な呼吸不全となり薬物療法・在宅酸素療法が必要なる場合があります。
長期間の喫煙で肺組織に不可逆的な変化が起こり、治療で元の健康な状態に戻すことは難しいとされています。

つぎのチェックリストに当てはまるものが複数ある場合は医療機関の受診を検討してみましょう。
【チェックリスト】
□ 40歳以上である
□ たばこを長期間吸っている(吸っていた)
□ 階段などですぐに息が切れる
□ 風邪ではないのに痰(たん)が絡んで咳(せき)が出る
​□ ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音が出る

階段 苦しい

COPD(慢性閉そく性肺疾患)は生活習慣病です(埼玉県ホームページ)

加熱式たばこの健康への影響

近年、普及している加熱式たばこの主流煙にも発がん性物質等の有害物質が含まれていることが明らかになっています。加熱式たばこは健康被害が少ないとの話もありますが、販売されてから間がなく、研究が十分に行われていないため、現段階で健康への長期的な影響について予測することは難しい状況です。

電子タバコ

禁煙の効果

禁煙を始めると健康に望ましい変化があらわれます。禁煙期間が長くなると一部の疾患は発症するリスクが非喫煙者と同等になります。また、喫煙者は非喫煙者に比べて平均余命が10年程度短いですが、早く禁煙することで喫煙を続けていた場合に短くなる平均余命を取り戻せることが調査で分かっています。

・禁煙の効果
禁煙してからの時間経過 健康上の望ましい変化
20分以内 心拍数と血圧が低下する
12時間 血中一酸化炭素値が低下し正常値になる
2-12週間 血液循環が改善し肺機能が高まる
1-9カ月 咳や息切れが減る
1年 冠動脈性心疾患のリスクが喫煙者の約半分に低下する
5年 禁煙後5-15年で脳卒中のリスクが非喫煙者と同じになる
10年 肺がんのリスクが喫煙者に比べて約半分に低下し、口腔、咽喉頭、食道、膀胱、子宮頸部、膵臓がんのリスクも低下する
15年 冠動脈性心疾患のリスクが非喫煙者と同じになる

出典 世界保健機関「たばこ使用者のための禁煙ガイド」(2014年)より

・上の表以外に期待できる効果
味覚や嗅覚が改善して食事や香りを楽しむことができる
歯や肌がきれいになる
たばこの臭いが軽減できる
たばこ代が節約でき、節約したお金を他のことに使うことができる
など
食事

禁煙を始めよう

禁煙することで病気の発症リスクが減ることが明らかになっており、長期間喫煙していても禁煙するのに遅すぎることはありません。​やめたくてもやめられないのは「ニコチン依存(身体的依存)」と「心理的依存(身体的依存)」によるもので、禁断症状のピークは開始から最初の3日間といわれています。ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙グッズを活用しても禁煙が難しい場合には、禁煙外来(医療機関)に相談してみましょう。
一定の条件を満たせば健康保険を利用して禁煙治療を受けることができ、自力での禁煙に比べて禁煙率が3~4倍に高まるとされています。
禁煙

 禁煙外来のある医療機関(日本禁煙学会ホームページ)

その他関連リンク

 受動喫煙防止対策

 5月31日は世界禁煙デーです

 やめられない喫煙は病院で治療できます~ニコチン依存症の治療のすすめ~

 たばこ影響とたばこの対策(埼玉県ホームページ)