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朝霞市指定史跡「広沢の池」で、令和2年(2020年)7月中旬頃からカルガモの親子の姿が見られました。
これまでにも、カルガモが広沢の池で厳冬期を過ごすということはありました。
平成30年(2018年)12月2日撮影 冬にこういった光景が見られる年もあります
カルガモの子育てはこれまでに無かったことなので、文化財課では、できるだけ自然に近い状態で子ガモに成長してほしいという思いから、遠くから見守り、観察を続けていました。
子ガモの成長の様子を画像とともにご紹介します。
6月下旬、文化財課の職員が草刈りをするため、広沢の池の周囲の土手を歩いていた時に、人の気配に驚いたカルガモが飛び出し、そこに卵を産み付けた巣があるのを偶然見つけたのが最初です。
6月24日 職員がカルガモの巣と卵を見つけました
人が近づいたために親ガモがいなくなってしまうことも考えられましたが、どうやらそのまま卵を温め続けていたようです。
7月中旬、5羽の子ガモを連れた親ガモの姿がありました。
※最初は子ガモが6羽いたとの情報をいただきました。情報ありがとうございます。
7月18日 卵からかえってまもない頃です
7月19日 こんな姿も見られました
池の水が越戸川へと流れ出る流出口に、子ガモが落ちるというハプニングもありました(落ちた子ガモは市職員が救出しました。)ので、無事に育ってくれることを願っていました。
※子ガモが成長するまで、流出口の穴を小さくするなどして対応しました。
7月24日 子ガモは2羽に減っていました。
しかし、1週間もしない間に、子ガモは2羽に減っていました。
子ガモがいなくなった原因はわかりませんが、他所での事例を調べてみると、カラスやネコなど他の生き物に襲われることが多いようです。
広沢の池は市街地に残る貴重な自然環境ですが、市街地に近い環境の中で動物が生き続けることの難しさが感じられました。
7月29日 まだまだ親とくっついています
子ガモの成長の様子を月ごとにご紹介します。
8月6日 少し大人びてきたでしょうか?
8月16日 産毛が抜け始めています
この頃になると、動き方など、2羽の子ガモのそれぞれに個体差が出てきたように思われました(担当職員の主観で申し訳ありません。)。また、親ガモの動きを子ガモが真似しているような場面も見られました。
8月22日 成鳥の顔つきに近づいてきました
8月28日 親子の判別が難しくなってきました
子ガモの顔つきが成鳥と変わらなくなり、産毛も生え変わって、大きさの違いなどを注意して見ないと親子の違いがわからなくなってきました。
9月2日 護岸の上で一休み、といった光景です
9月5日 3羽を一緒に撮影するのが難しくなりました
子ガモが活発に動き回るようになり、親ガモもそれを放任している様子で、親子3羽が一緒にいる場面を撮影するのがだんだん難しくなってきました。
9月12日 4羽いるのがわかりますか?
いつものように文化財課職員が広沢の池に行くと、カルガモが4羽に増えていました。
もとからいた親子3羽に、どこかから1羽が飛んできて加わったものと推定されますが、互いに警戒しあっているような様子も見られ、どことなくほほえましい光景でした。
9月17日 タイトルは「彼岸花とカルガモ」です
9月20日 また3羽に戻っていました
9月22日 それぞれ自由に動き回っています
4羽に増えたり、また3羽に戻っていたりしていましたが、9月中旬頃からは2羽でいることが多くなりました。
親子3羽のうちの1羽がどこかへ飛び立ったのだろうと思われましたが、その後も日によって数が増えたり減ったりしていました。
10月4日 こんな場面にも遭遇しました
10月13日 偶然撮れた1枚です
2羽でいることが多くなりましたが、この2羽もいなくなっていたり、戻ってきていたり、また4羽に増えていたり・・・という日が続いています。
文化財課では、今後も同様のことがあれば、遠くから見守りつつ観察して、みなさんにご紹介したいと思っています。