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第31回企画展 小さな銅鐸を追って―銅鐸形土製品と小銅鐸―
図録概要
朝霞市向山遺跡では、土で象られた小さな銅鐸、銅鐸形土製品が出土しています。これは、弥生時代後期の大変稀少な資料であり、銅鐸分布圏外の関東にあってはさらに注目度の高い優品です。本展では、この銅鐸形土製品と小銅鐸(青銅製)を「小さな銅鐸」と称してその波及ルートを追いかけ集成を試みました。そして、「小さな銅鐸」とともに青銅器や土器などの関係資料を加えて比較することで、朝霞や関東の側から見た人の動きや地域性について解説、紹介しました。
目次
1 銅鐸 ~弥生の象徴~
(1)水稲と金属器の弥生時代
(2)弥生時代の祭りと銅鐸
(3)銅鐸の起源
(4)「聞く銅鐸」から「見る銅鐸」へ
(5)銅鐸の作り方
2 小さな銅鐸と土器
(1)小さな銅鐸~銅鐸に似た小型品~
(2)土器から見える人の動き
3 埼玉の銅鐸形土製品 ~朝霞の小さな銅鐸から~
(1)向山遺跡(朝霞市)の銅鐸形土製品
(2)午王山遺跡(和光市)の銅鐸形土製品
(3)下田遺跡(坂戸市)の銅鐸形土製品? ~分布の北限~
4 東京の小銅鐸
(1)高田馬場三丁目遺跡(新宿区)の小銅鐸
(2)中郷遺跡(八王子市)の小銅鐸
5 千葉の小銅鐸
(1)草刈遺跡(市原市)の小銅鐸
(2)川焼台遺跡(市原市)の小銅鐸
(3)天神台遺跡(市原市)の小銅鐸
(4)水神下遺跡(袖ヶ浦市)の小銅鐸
(5)文脇遺跡(袖ヶ浦市)の小銅鐸
(6)中越遺跡(木更津市)の小銅鐸
(7)大井戸八木遺跡(君津市)の小銅鐸
6 神奈川の小銅鐸
(1)本郷遺跡(海老名市)の小銅鐸
(2)内沢遺跡(平塚市)の小銅鐸
7 静岡の銅鐸と小さな銅鐸
(1)愛野向山2遺跡(袋井市)の小銅鐸 ~東遠江~
(2)銅鐸分布圏の東縁(浜松市) ~西遠江~
8 朝霞の人々が手に入れていた青銅器
(1)東の世界の銅釧
(2)小さな銅鐸から小さな銅鏡へ
刊行年月日
平成28年11月5日