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海外渡航時の感染症予防
年末年始やゴールデンウイーク、夏休みなど長期休暇を利用して、海外に出かける方も多いことと思います。
生活習慣などの違う外国を訪れるのは楽しいことですが、思いがけず感染症にかかってしまうことがあります。
海外旅行にお出かけの際は、渡航先の衛生状況や流行している病気の情報を得て、旅行先で思わぬ病気に感染しないよう注意しましょう。
旅行前の注意
適切な情報を得て行動しましょう
海外に出かけるときは、自分の行く国についての予備知識のひとつとして、天候と同様に感染症についても確認しておきましょう。感染症の流行している地域に行く場合は、あらかじめワクチンを接種したり、必要な場合は感染症防御用品を用意するなどの準備が必要です。
感染症の多くは、ちょっとした意識で予防でき、また感染しても早期に適切な治療を受ければ大事に至らずに済む場合が殆どです。必要以上に怖がることはありませんが、国内と同じ感覚では通用しません。感染症を予防して楽しい海外旅行をしましょう。
無理をしないことも予防のひとつ
無理をせず、必要以上に体に負担をかけないことも、感染症の予防に大切なことのひとつです。
海外旅行では刺激的なことも多く、せっかく休暇を取ったのだからこれもあれもという気持ちになりがちです。しかし、その結果、体へかかる負担は相当なものです。病原体は、体力が落ちていると余計にうつりやすく、また発症したときの回復に手間取り、時には命を失うことになります。無理のない旅行計画を立てて暴飲暴食をしないことは、感染予防につながるのです。
旅行中の注意
感染症の感染経路はさまざまですが、海外旅行中にとくに気をつけたいのは、水や食べ物を通じて口から感染する「経口感染」。蚊などの昆虫によって感染する「経皮感染」の主に二つ。予防の第一歩は感染症に対する正しい知識をもち、意識を高めることが大切です。
食べ物や飲み物から感染する病気
コレラや赤痢は細菌性の感染症で、コレラ菌や赤痢菌に汚染された水や生ものから感染します。これらの菌に感染すると、1~5日ぐらいしてから下痢や腹痛、発熱といった症状がでます。下痢がひどくなると衰弱して命を失うこともありますが、適切な治療をすれば治ります。海外旅行をして下痢をしたら、すぐに医療機関を受診してください。
予防は、衛生状態に不安のある国に行った際に、生水や生ものは飲食しないこと(歯磨き・うがいの際の水にも注意)。加熱不十分の食品も避けましょう。ジュースの中の氷やカットフルーツにも菌がいることがあるので避けたほうが安全です。
蚊や動物から感染する病気
鳥に注意
東南アジア、欧州、アフリカ地域で鳥インフルエンザが発生拡大し、鳥からヒトへの感染事例が多く報告されています。一般に鳥との農耕接触で感染しますので、生きた鳥が売られている市場や養鶏場へはむやみに訪れない、死んだ鳥等に触れない、手洗いやうがいの励行に心がけましょう。
犬等に注意
世界各地(特にアジア)では狂犬病がまん延しています。イヌやネコ、野生動物には近づかないようにしましょう。万が一、動物に咬まれた場合は現地の医療機関を受診し、適切な治療を受けるとともに、帰国時に検疫所に相談しましょう。
蚊に注意
世界的に蚊が媒介する感染症が多く発生しています。マラリア、デング熱は熱帯・亜熱帯地域で、ウエストナイル熱は米国を中心に、ジカウイルス感染症は中南米で、流行が懸念されています。特に蚊が多く発生する夕方から夜間にかけて外出する際には、虫除け剤や蚊取り線香の使用、長袖・長ズボンの着用等により、虫に刺されないように注意してください。
旅行中または旅行後に体調を崩したら
体調が回復しないときは、速やかに医療機関に受診してください。帰国時に体調が悪い時は、検疫所に申し出てください。
◆FORTH(厚生労働省検疫所):旅行から帰って(何か変?-旅行後の健康チェック)