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サル痘
サル痘とは
サル痘は、サル痘ウイルス感染による急性発疹性疾患です。
1970年にヒト感染が発見されて以来、主に中央アフリカから西アフリカにかけて流行しており、10か国程度が常在国となっています。
感染症法上の類型では、4類(動物等を介してヒトに感染し、国民の健康に影響を与える恐れがある感染症)に指定されており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届出が必要となっています。
2022年5月以降、サル痘流行国への海外渡航歴のないサル痘患者が欧州、米国等で報告されています。
2022年7月6日のWHOの発表では、59か国で6027例の確定例が報告されており、常在国以外での死亡例の報告は今のところありません。また、2022年7月23日、WHOは感染の拡大が続いているとして、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
感染源・感染経路
サル痘ウイルスの動物からヒトへの感染経路は、感染動物(リスやネズミなどのげっ歯類の他、サルやウサギなど)に咬まれること、あるいは感染動物の血液・体液・皮膚病変(発疹部位)との接触による感染が確認されています。
ヒトからヒトへの感染は、主に接触感染、飛沫感染とされていますが、患者が使用したリネン類を介した感染も報告されています。
症状
サル痘に感染してから5~21日間(平均12日間)の潜伏期間を経て発症します。症状は発熱、頭痛、リンパ節の腫れなどが多く、発熱から1~3日後に発疹が出現します。発熱やリンパ節の腫脹などの前駆症状が見られない場合もあります。
皮疹は顔面や四肢、会陰部、肛門周辺や口腔などに多く出現し、徐々に隆起して水疱、膿疱、痂皮となりますが、異なる段階の皮疹が同時に見られる場合があります。
多くは軽症で、2~4週間で自然治癒します。
治療・予防法
サル痘に対する特異的な治療法はありません。症状に応じた対症療法を行います。
天然痘ワクチンが治療や予防に有効であることが示唆されていますが、日本では1976年以降、天然痘ワクチンの接種は行われていません。
サル痘を疑う症状が見られた場合
サル痘を疑う症状が見られた場合、最寄りの医療機関に相談してください。
医療機関を受診する際には、マスクの着用や発疹部位をガーゼでおおう等の対策をした上で受診してください。