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A群溶血性レンサ球菌咽頭炎に注意(令和5年12月20日現在)
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎に注意!
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の埼玉県感染症発生動向調査による2023年第50週(令和5年12月11日~12月17日)の1医療機関(定点)当たり報告数が、国の定める流行警報の基準値を超えたと、12月20日に県の報道発表がありました。警報が発令されるのは、統計のある1999年以来初めてです。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の感染に注意しましょう。
2023年第50週(12月11日~12月17日)の定点当たり患者報告数(人)
流行終息基準値 | 4.00 |
---|---|
埼玉県 |
8.04 (前週比+0.34) |
朝霞保健所管内 |
9.04 (前週比-0.88) |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは?
A群溶血性レンサ球菌を原因とし、のどが痛くなる細菌感染症の代表的なものです。5歳をピークに幼児期から学童期に多くみられますが、成人も感染することがあります。季節的には冬から初夏にかけて多くみられます。感染症法では定点把握疾患5類感染症に定められており、指定された小児科から保健所に報告が届けられます。学校保健安全法では、特に出席停止の基準は定められておらず、流行状況や病状により登園・登校が判断されます。
感染経路
A群溶血性レンサ球菌にかかった人の咳やくしゃみを吸い込むことによって感染する「飛沫感染」、また菌のついた手で口や鼻に触れることによって感染する場合「接触感染」が主な感染経路です。
症状
- 典型的には2~5日の潜伏期間の後、突然38℃以上の発熱、のどの痛み、全身倦怠感が現れ、しばしば吐き気や嘔吐を伴います。
- 熱は3~5日以内に下がり、1週間以内に症状は改善します。
- 菌が産生する毒素によって、皮膚の発疹や舌の発赤が現れる「猩紅熱(しょうこうねつ)」という状態になることがあります。舌の発赤は、その見た目から「いちご舌」と言われます。
- 他の合併症としては、菌の直接的な影響による中耳炎、肺炎、髄膜炎などがあります。また、菌に対する免疫学的機序によって、関節や心臓などに障害を受ける「リウマチ熱」や腎臓の機能が低下する「急性糸球体腎炎」を起こすことが知られています。このうち、リウマチ熱の発症は、適切な抗菌薬による治療によって予防できるとされています。
治療
- 抗菌薬の投与が行われます。腎炎などの合併症を防ぐため、症状が改善しても主治医に指示された期間、薬を飲むことが大切です。
- 喉の痛みがひどい場合は、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけまあしょう。
感染拡大を防ぐポイント
- 予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。
- 咽頭痛がある場合は早めに医療機関等を受診し、検査を受けましょう。