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学校給食でベトナム料理を提供しました(令和4年5月)
ベトナム料理
令和4年5月23日(月曜日)、市内の小・中学校の給食にベトナム料理を提供しました。
今回提供したのは、「フォースープ」と「空心菜のにんにく炒め」です。
写真右下がフォースープ、左上が空心菜のにんにく炒め
フォースープ
フォーは平たい米粉麺で、ここ数年日本でもよく紹介されています。
フォーはベトナム北部発祥の料理で、鶏肉のフォーと牛肉のフォーに分けられます。
今回の給食で提供したのは鶏肉のフォーでした。
2つのフォーの違いは麺の上にのせる食材が鶏肉か牛肉かだけでなく、スープの作り方にも違いがあります。
鶏肉のフォーはよく洗った鶏の骨を弱火でじっくり煮込みながら灰汁を取り除きます。その後、焼いた生姜や玉ねぎなどの食材を入れて一緒に煮込みます。牛肉のフォーは鶏の骨の代わりに、牛骨を使います。この2つを比べると、鶏肉のフォースープの方が透明度が高く、鶏がらスープの香りが強いさっぱりしたスープです。
ベトナム人にとってフォーは庶民の朝ごはんであり、寒い日に体を温める料理として愛されています。
空心菜のにんにく炒め
空心菜(くうしんさい)は茎の中が空洞になっている葉野菜で、味にクセがなく、子どもや青菜が苦手という人も比較的食べやすい野菜です。畑でも水田でも手軽に育てられ、熱帯のベトナムの環境でもぐんぐん成長します。ビタミンC、鉄分、カリウムが豊富であり、夏バテ・疲労回復に効果があるといわれています。そのため、ベトナムでは夏に家庭料理として空心菜がよく使われます。
空心菜料理といえば、空心菜スープ、空心菜炒め、サラダなどの食べ方がありますが、暑さで食欲がないときにベトナムの家庭では空心菜のにんにく炒めがよく作られます。
葉と比べて茎が少し硬いので、茎に火が通ってから葉の部分を入れてさっと炒めるのがこの料理のポイントです。ニンニクの香りと空心菜のシャキシャキとした触感で食欲が進む一品ですので、ぜひ皆さんも一度食べてみてください。
ベトナム文化の紹介
ベトナムの国土は日本と同じように南北に長く、東は海と、北と西は中国、ラオス、カンボジアとそれぞれ面しています。歴史的な背景から中国、フランスの文化の影響を強く受けています。
ベトナムの中部にあるホイアン市はその街並みが世界遺産に登録されている、ベトナム屈指の観光地です。そのホイアンに「日本橋」という日本と縁が深い歴史を持つ場所があります。日本橋は正式には「来遠橋(らいえんばし)」と言い、旧市街の中心にあります。建設された当時は、日本人町と中国人町をつないでいました。「申年に建築が始まり、戌年に終わった」という意味で、橋の両端には犬と猿の像があります。
また、この地方の郷土料理には「カオラウ」という麺料理があります。見た目は日本のきしめんに似ていますが、汁はありません。米粉で作られた麺に、豚肉、せんべい、レタス、もやし、香草などをのせ、丼の底にたまった甘い醤油だれにからめて食べます。ホイアンのレストランでは置いていないところはないほど、有名な郷土料理です。一説によると、このカオラウのルーツは「伊勢うどん」で、当時ベトナムを訪問した伊勢商人の角屋七郎兵衛が伊勢うどんをホイアンに持ち込んだと言われています。
記事作成にあたり、多文化推進サポーターの安野けん様にご協力いただきました。