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市指定無形文化財 根岸野謡

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 記事ID:0082637 更新日:2019年1月25日更新

 根岸野謡は、朝霞市根岸台地区に古くから伝わる謡で、地元では「ノウタイ」と呼ばれており、市を代表する民俗芸能として、昭和50年に朝霞市指定無形文化財に指定されました。

 その発祥は明らかではありませんが、代々農家の長男に口伝で伝えられ、正月・初午などの年中行事や、宮参り・婚礼などの人生の節目の祝い、上棟式・家移りなどの建築に関わる祝いなどで謡われてきました。特に祝いの行事では、宴席の最初に謡われ、それが済まないうちには、ほかの唄を唄ってはいけないことになっており、「野謡が終わるまでは楽座にならない」といい、その間は足を崩すことも、酒を飲むことも禁じられていました。

 祝いで謡われる曲数は通常3~5曲で、曲によって謡う順番が決まっているものもあり、「四海波」は最初に謡い、「千秋楽」は最後に謡うとされています。全部で15曲あり、うち10曲が現在でも謡われており、残りの5曲は歌詞のみが伝えられています。

根岸野謡曲目
現在も謡われている曲 四海波(しかいなみ) 処は高砂(ところはたかさご) 庭の砂(にわのいさご)
金銀草(きんぎんそう) 帯解(おびとき) 稲荷(いなり)
長生(ちょうせい) 御子孫(ごしゅそん) 船おろし(ふなおろし)
千秋楽(せんしゅうらく)    
歌詞のみ伝わっている曲 盃(さかずき) ※2曲 廻国用(かいこくよう) 柳は緑(やなぎはみどり)
夏草(なつくさ)    

 歌詞の内容は、能楽の謡曲の一節を抜き出したものが多いですが、能楽の謡曲とは異なる独特の節回しを持っています。また、口伝によって伝えられてきたため、同じ曲でも、教える人によって息の継ぎ方や節回しが少しずつ異なっていたといいます。

 野謡の謡い方は、伴奏を入れずに数人で謡います。まず、最初の一節を一人が謡い、二節目から他の人も加わって謡います。最初の一節を謡うことを「アゲル」または「トウヲトル」といい、一節目を「アゲル」人が、「○○(曲名)をあげさせていただきます。」と口上を述べてから謡いだします。

 戦前は、年中行事や祝いの席などで必ず謡われていましたが、時代の変化に伴い、謡われる機会が減ったことから、昭和38年に「朝霞市根岸野謡保存会」が結成され、根岸野謡の保護と伝承が図られています。現在は、「市民芸能まつり」や、「郷土の伝統芸能鑑賞教室」として旧高橋家住宅活用事業「収穫祭」で公演を行っています。

旧高橋家住宅活用事業「収穫祭」での根岸野謡披露の様子

旧高橋家住宅活用事業「収穫祭」での披露の様子

「市民芸能まつり」での根岸野謡披露の様子

「市民芸能まつり」での披露の様子

根岸野謡の一部を動画で紹介します。

根岸野謡「四海波」披露の動画(平成28年11月19日撮影・約35秒) 
※クリックすると別ウインドウで朝霞市公式Facebookへ移動します。

根岸野謡「四海波」の歌詞 [PDFファイル/25KB]

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