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市長コラム平成20年6月 「粋(いき)」

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 記事ID:0001537 更新日:2008年6月1日更新

平成20年6月 「粋(いき)」

 皆さんこんにちは。
 うっとうしい梅雨の時期がやってきました。気温の差が激しい日もあり、私も1か月ほど風邪が長引いて大変な思いをしました。皆さんも、健康管理には十分注意していただきたいと思います。
さて、皆さんは、「江戸しぐさ」というものをご存じでしょうか。江戸時代、江戸の町は全国各地から大勢の人々が集まり、百万人もの人口を擁する世界でも最大級の大都市でした。そしてそんな人口過密な江戸の町が、いつまでも平和で、異なる文化をもった人々の間でトラブルが起きないよう、お互いを尊重しつつ、皆が気持ちよく生活をするために生み出された庶民の知恵、他人のための心づかいの所作の数々が「江戸しぐさ」だと言われています。(「しぐさ」は、「仕草」ではなく、「思草」と書くそうです。)
 昨年私は、市内の小学校で「江戸しぐさ」に取り組んでいるという話を聞き、その小学校で「江戸しぐさ」の授業を見学させてもらいました。
 例えば、雨の日に傘を差しながら人とすれ違うとき、相手と反対のほうへ傘を少し傾けることで、相手に傘がぶつからず、しずくをかけないように配慮することを「傘かしげ」と言います。また、後から来た人が席に座れるよう、こぶし一つ分ずつ奥から順に詰めて1人分の席を作ることを「こぶし腰浮かせ」と言います。これらは、たぶん皆さんもテレビの公共広告機構のコマーシャルでご覧になったことがあるかも知れません。私が参観させていただいたときは、上級生がいろいろな「江戸しぐさ」について学び、次にそれを下級生に教えながら、お互いに他人への気遣いの素晴らしさを理解し合っていたようです。5年ほど前から取組みを始めた都内の中学校の周辺地域では、「道を広がって歩く子どもが減った」とか、「あいさつをする子が増えた」など、すでに良い影響が現われてきているようです。現代は、物質的な豊かさは江戸時代とは比べ物にならないほどですが、心の豊かさや思いやりは今よりももっと深かったのではないでしょうか。私たちもそのころの日本人のように「粋(いき)」な心づかいを取り戻し、思いやりを持って生活するようにしたいものです。
 それでは、また。

朝霞市長 富岡 勝則