市長コラム平成20年2月 「誠（まこと）」

平成20年2月 「誠（まこと）」

　皆さんこんにちは。
　新たな年を迎え、はやひとつきがたちました。今年のお正月は、天候に恵まれ、朝晩はさすがに冬らしい寒さを感じたものの、日中は割りと過ごしやすい暖かな日が続きました。今年も朝霞市民の皆様が、穏やかに、そしてお健やかに生活していただけるよう、心からお祈り申し上げます。
　さて、昨年の世相を表す漢字として、「偽(いつわり)」が選ばれました。これは、昨年１月、大手菓子メーカーが製造品の消費期限を改ざんしていたことが発覚しましたが、これを皮切りに食肉偽装、賞味期限の付け替え、産地偽装などが次々と明るみに出て、連日のように、企業のトップによる謝罪会見が報じられたことを国民が重く受け止めた結果であるといえます。
　そのような中、私が関心をもったのは、内部告発により発覚したケースがあったということです。食に携わる職業に誇りをもち、偽ること、消費者を欺くことに憤りを感じ、自分の正義心が偽りを許さないという方たちが、勇気を振り絞って告発することを選択したのでしょう。特に、「食」という、私達の命にも関わる大切な分野で、その品質を偽って提供され、消費者が軽んじられてきたことへの憤りは、その企業に対する不信感として残ってしまうものです。しかし、彼らは、会社の存立すら危ぶまれ、それにより自らの生活を犠牲にすることを覚悟の上で偽装を暴いたのです。その勇気に、心からの拍手を贈りたいと思います。と同時に、一刻も早い信頼の回復と、従業員の方の生活の安定を祈りたいと思います。
　信頼ということに関しては、私も市長に就任した直後、容器包装プラスチックリサイクル処理問題で厳しい立場に立たされ、悩まされました。そして、信頼を回復するためには、とてつもない労力が必要だということを、痛感しました。
　今年は、子(ね)年。十二支の１番目の年回りであり、新たな一歩が始まるような、すがすがしい気持にさせられる年です。今年こそ、「偽(いつわり)」ではなく「誠(まこと)」が表に出て欲しいものです。そして、町じゅうに明るい話題があふれ、年末には今度こそ、よい文字が選ばれるように願っています。
　それでは、また。

朝霞市長　富岡　勝則