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税額控除
税額控除は、税率を乗じて算出した税額から一定の金額を控除するものです。
(1)調整控除
平成19年度より市民税・県民税に調整控除が設けられたことにより、 合計所得金額が2,500万円以下の納税義務者は、市民税・県民税(所得割)から次の額を減額します。
- 市民税・県民税の課税所得金額が200万円以下の方
イとロのいずれか小さい額の5%(市民税3%・県民税2%)
イ 人的控除額の差の合計額
ロ 市民税・県民税の課税所得金額 - 市民税・県民税の課税所得金額が200万円超の方
{人的控除額の差の合計額-(市民税・県民税の課税所得金額 - 200万円)}の5%(市民税3%・県民税2%)
ただし、この額が2,500円未満の場合は、2,500円(市民税1,500円・県民税1,000円)とします。
※ここで言う課税所得金額とは、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額をいいます。
※令和3年度から合計所得金額による制限が追加されています。
所得税と市民税・県民税の人的控除額の差
所得控除 |
納税義務者の合計所得金額 |
所得税 |
市民税・県民税 |
人的控除額の差 |
---|---|---|---|---|
基礎控除 |
2,400万円以下 |
48万円 |
43万円 |
5万円 |
2,400万円超 |
32万円 |
29万円 |
5万円※ |
|
2,450万円超 |
16万円 |
15万円 |
5万円※ |
|
障害者控除 |
|
|
|
|
1 障害者 |
― |
27万円 |
26万円 |
1万円 |
2 特別障害者 |
― |
40万円 |
30万円 |
10万円 |
3 同居特別障害者 |
― |
75万円 |
53万円 |
22万円 |
寡婦控除 |
― |
27万円 |
26万円 |
1万円 |
ひとり親控除(母) |
― |
35万円 |
30万円 |
5万円 |
ひとり親控除(父) |
― |
35万円 |
30万円 |
1万円※ |
勤労学生控除 |
― |
27万円 |
26万円 |
1万円 |
配偶者控除 |
|
|
|
|
1 一般 |
900万円以下 |
38万円 |
33万円 |
5万円 |
900万円超 |
26万円 |
22万円 |
4万円 |
|
950万円超 |
13万円 |
11万円 |
2万円 |
|
2 老人(70歳以上) |
900万円以下 |
48万円 |
38万円 |
10万円 |
900万円超 |
32万円 |
26万円 |
6万円 |
|
950万円超 |
16万円 |
13万円 |
3万円 |
|
配偶者特別控除 |
|
|
|
|
1 配偶者の合計所得金額 48万円超 50万円未満 |
900万円以下 |
38万円 |
33万円 |
5万円 |
900万円超 |
26万円 |
22万円 |
4万円 |
|
950万円超 |
13万円 |
11万円 |
2万円 |
|
2 配偶者の合計所得金額 50万円以上 55万円未満 |
900万円以下 |
38万円 |
33万円 |
3万円※ |
900万円超 |
26万円 |
22万円 |
2万円※ |
|
950万円超 |
13万円 |
11万円 |
1万円※ |
|
扶養控除 |
|
|
|
|
1 一般の扶養親族 |
― |
38万円 |
33万円 |
5万円 |
2 特定扶養親族 |
― |
63万円 |
45万円 |
18万円 |
3 老人扶養親族 |
― |
48万円 |
38万円 |
10万円 |
4 同居老親等扶養親族 |
― |
58万円 |
45万円 |
13万円 |
表中「※」のある金額は、調整控除の算出等に用いる金額であり、市民税・県民税と所得税の所得控除額の実際の差額とは一致しません。
(2)配当控除
配当所得について法人に対して法人税が課税され、更に個人に対しても所得税と市民税・県民税が課税されるため、その二重課税を調整するために設けられた制度です。
控除額については下記の表により求めた額となります。
市民税
利益の配当 | 私募証券投資信託等 | ||
---|---|---|---|
外貨建投資信託以外 | 外貨建投資信託 | ||
課税総所得金額(退職・山林所得を除く)≦1,000万円 | 配当所得×1.6% | 0.8% | 0.4% |
課税総所得金額-配当所得> 1,000万円 | 配当所得×0.8% | 0.4% | 0.2% |
課税総所得金額>1,000万円 かつ 課税総所得金額-配当所得≦ 1,000万円 |
1,000万円までの部分の配当所得×1.6% | 0.8% | 0.4% |
1,000万円超の部分の配当所得×0.8% | 0.4% | 0.2% |
県民税
利益の配当 | 私募証券投資信託等 | ||
---|---|---|---|
外貨建投資信託以外 | 外貨建投資信託 | ||
課税総所得金額(退職・山林所得を除く)≦1,000万円 | 配当所得×1.2% | 0.6% | 0.3% |
課税総所得金額-配当所得> 1,000万円 | 配当所得×0.6% | 0.3% | 0.15% |
課税総所得金額>1,000万円 かつ 課税総所得金額-配当所得≦ 1,000万円 |
1,000万円までの部分の配当所得×1.2% | 0.6% | 0.3% |
1,000万円超の部分の配当所得×0.6% | 0.3% | 0.15% |
(3)住宅借入金等特別税額控除(所得税の年末調整や確定申告で住宅借入金等特別控除の申請をすれば、市民税・県民税での申告は不要)
住宅借入金等特別税額控除とは、所得税の住宅借入金等特別控除(※1)によって、所得税から控除しきれなかった金額のうち、次の額を市民税・県民税の所得割から控除するものです。控除適用には年末調整時に勤務先に必要書類を提出するか、確定申告が必要です。
※令和4年度税制改正により、令和4年以降居住の方について、適用要件や控除額が変更されています。
詳しくは国税庁HPをご確認ください。
一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)(国税庁HP)
個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得または増改築等をし、令和7年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。
次のうちいずれか少ない方の金額が市民税・県民税における控除対象となります。
- 所得税の住宅ローン控除可能額のうち、所得税において控除しきれなかった額
- 所得税の課税総所得金額等(A)×5%または7%(居住年月日等によって異なります。下記の表をご覧ください。)
なお、(A)は所得税の課税総所得金額、課税退職所得金額、課税山林所得金額をさします。
居住年月日 |
平成21年1月~ 平成26年3月 |
平成26年4月~ 令和3年12月 |
令和4年 | 令和5年 | 令和6・7年 |
---|---|---|---|---|---|
令和3年以前居住の場合は、特定取得または特別特定取得 令和4年以降居住の場合は新築または買取再販住宅 |
ー |
(A)×7% 最大136,500円 控除期間10年 |
(A)×5% 最大97,500円 控除期間13年 |
(A)×5% 最大97,500円 控除期間13年 (注2) |
|
特別特定取得のうち、 契約日が一定期間内のもの (注1) |
ー |
(A)×7% 最大136,500円 控除期間13年 (注3) |
ー | ー | ー |
特別特例取得 |
ー |
(A)×7% 最大136,500円 控除期間13年 (注3) |
ー | ー | |
令和3年以前居住の場合は、特定取得等非該当 令和4年以降居住の場合は中古住宅 |
(A)×5% 最大97,500円 控除期間10年 |
(注1)注文住宅の場合は令和元年10月1日から令和2年9月30日まで、分譲住宅等の場合は令和元年12月1日から令和2年11月30日まで
(注2)省エネ住宅等に該当しない場合は10年。省エネ住宅等については国土交通省HPをご覧ください。
(注3)11年目から13年目は住宅ローン控除可能額の算出方法が異なります。詳しくは国税庁HPをご覧ください。
特定取得 | 住宅取得等にかかる金額に含まれる消費税率が8%である取得 |
特別特定取得 | 住宅取得等にかかる金額に含まれる消費税率が10%である取得 |
特別特例取得 | 特別特定取得のうち、注文住宅の場合は令和2年10月1日から令和3年9月30日まで、分譲住宅等の場合は令和2年12月1日から令和3年11月30日までの期間内に契約締結されたもの |
(4)寄附金控除
平成21年度以後の寄附金税制について改正があり、控除方式がこれまでの所得控除方式から税額控除方式(算出された税額から直接差し引かれる方式)へ改められました。控除対象限度額は総所得金額等の30%(改正前25%)に引き上げられ、適用下限額は5千円(改正前10万円)に引き下げられました。また、平成24年度以後は適用下限額がさらに2千円に引き下げられました。
市民税・県民税の寄附金控除の対象は次のとおりとなります。
- 都道府県または市区町村に対する寄附金 (ふるさと納税) (a+b)
- 翌年1月1日現在の住所地の埼玉県共同募金会に対する寄附金 (a)
- 翌年1月1日現在の住所地の日本赤十字社埼玉県支部に対する寄附金 (a)
- 条例で指定した寄附金 (a)
- 東日本大震災・熊本地震等の義援金として、被災地の都道府県や市区町村及び日本赤十字社、中央共同募金会等に対する寄附金(ふるさと寄附金) (a+b)
- 文化芸術・スポーツイベントの中止等でチケットの払戻請求権を放棄した場合のチケット代金分(年間最大20万円) (a)(詳細についてはこちら(市ホームページ))
上記1~6の控除額【基本控除額】は下の(a)の計算式で算出します。このうち1、5についてのみ、(a)の【基本控除額】の適用に加え、(b)の計算式で算出された控除【特例控除額】も適用され、(a)と(b)の合計額が控除されます。
これにより、1、5については、適用下限額(2千円)を超える部分について、一定の限度額まで所得税と合わせて全額控除となります。
控除額の計算方法
(a) 【基本控除額】(地方公共団体等に対する寄附金-2千円)×10%
(b)【特例控除額】(地方公共団体に対する寄附金-2千円)×(90%-( 所得税の限界税率(※2))×1.021)
※1 (b)の額は、市民税・県民税所得割の20%を限度とします
※2 各納税者に適用される所得税率のうち最も高い税率を指します
◎朝霞市で条例指定となる寄附金は埼玉県と同一の内容となります。詳しくは下記を参照してください。
新たに控除対象となった寄附金(平成21年1月1日以降の寄附に適用)
- 所得税法第78条第2項第2号及び第3号に掲げる寄附金(※1)のうち、県内に主たる事務所を有する法人に対する寄附金
- 所得税法第78条第3項に規定する特定公益信託(※2)(埼玉県知事または埼玉県教育委員会が主務官庁の権限に属する事務を行うものに限る)の信託財産とするために支出した金銭
- 認定特定非営利活動法人(※3)のうち、県内に主たる事務所を有する法人に対する寄附金
- 1~3に掲げるもののほか、県民の福祉の増進に寄与するものとして、規則で定めるところにより、知事が指定したもの(※4)
※1
ア.財務大臣が指定した寄附金(国立大学法人に対する寄附金など)
イ.独立行政法人に対する寄附金
ウ.公益社団・財団に対する寄附金(現在、特定公益増進法人の認定を受けている特例民法法人に対する寄附金は、経過措置により、認定期間中は対象となります。)
エ.学校法人に対する寄附金(確定申告時に、寄附をした学校法人が特定公益増進法人であることの証明が必要となるので御確認ください。)(入学に関するものを除く)
オ.社会福祉法人に対する寄附金
カ.更生保護法人に対する寄附金
※2
公益信託のうち、主務大臣による所得税法上の認定を受けたもの
※3
NPO法人のうち、国税庁長官による租税特別措置法上の認定を受けたもの
※4
規則については平成21年7月に改正されました。
上記の一部については、埼玉県ホームページ(寄付金税制について)より転載しております。
参考:朝霞市税条例第34条の7(3)
所得税法第78条第2項第2号及び第3号に掲げる寄附金(同条第3項及び租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第41条の18の3の規定により特定寄附金とみなされるものを含み、前号に掲げる寄附金を除く。)のうち、次に掲げるものに対するもの
ア 埼玉県内に主たる事務所を有する法人
イ 埼玉県知事または埼玉県教育委員会が主務官庁の権限に属する事務を行う公益信託
ウ ア及びイに掲げるもののほか、県民の福祉の増進に寄与するものとして埼玉県知事が指定したもの
(5) 外国税額控除
本人の所得のうち外国で生じた所得があり、その国で日本の所得税や住民税に相当する税金が課税された場合において、日本でさらに所得税や市民税・県民税を課税すると、国際間の二重課税となるため、これを調整するために設けられた制度です。まず、所得税で外国税額控除を行い、控除しきれない場合に県民税、さらに控除しきれない場合に市民税の順に控除します。
1 所得税
その年分の所得税額×その年分の国外所得金額÷その年分の総所得額=所得税額控除限度額
2 市民税・県民税
県民税控除限度額 所得税額控除限度額 × 12%
市民税控除限度額 所得税額控除限度額 × 18%
(6)配当割額控除額・株式等譲渡所得割額控除額
上場株式等の配当、公社債投資信託以外の証券投資信託(公募)の収益の分配等(特定株式投資信託を除く)や「特定口座かつ源泉徴収あり」で上場株式等を取り引きされている方が上場株式等譲渡益等を申告した場合に、特別徴収された税額が控除されます。
上場株式等の配当等所得および上場株式等の譲渡所得等における課税方式の選択について
平成29年度税制改正により、上場株式等の配当等所得および上場株式等の譲渡所得等(特定口座等により源泉徴収があるもの)について、所得税と異なる課税方式(総合課税、申告分離課税、申告不要)により市民税・県民税を課税することができると明確化されました。(※)
確定申告書とは別に、市民税・県民税申告書を提出していただくことにより、異なる課税方式を選択することができます。
また、所得税で申告した特定配当等および特定株式等譲渡所得を、市民税・県民税ではすべて申告不要とする場合は、確定申告書第二表の住民税に関する事項欄から選択することもできます。
※ 令和4年度税制改正により、令和6年度課税分(令和5年分)から、所得税と市民税・県民税における課税方式を一致させることとなりました。異なる課税方式が選択できるのは、令和5年度(令和4年分)までとなりますのでご注意ください。 |
市民税・県民税申告書(上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書) [PDFファイル/205KB]
特定配当等とは…上場株式等の配当等のうち大口株主等が支払を受けるものを除く配当および利子で、所得税と市民税・県民税が20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、道府県民税配当割5%)の税率で源泉徴収(特別徴収)されているものをいいます。
特定株式等譲渡所得とは…特定口座のうち源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の譲渡所得等で、所得税と市民税・県民税が20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、道府県民税株式等譲渡所得割5%)の税率で源泉徴収(特別徴収)されているものをいいます。
※ 同一の源泉徴収口座内で、上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当等所得がある場合は、配当等所得のみ申告不要とすることはできません。
※ 本市において適正な課税を行うため、市民税・県民税申告書を提出していただく際に、併せて特定口座年間取引報告書等のご提出をお願いします。なお、確定申告書第二表から申告不要を選択された方においても、特定口座年間取引報告書等の提出をお願いする場合があります。
申告する際の注意点
所得税と異なる課税方式を選択する場合の申告期限は、市民税・県民税の納税通知書が送達されるときまでです。
また、特定配当等や特定株式等譲渡所得を総合課税または申告分離課税とした場合、扶養控除や配偶者控除の適用、非課税判定や国民健康保険税算定等の基準となる総所得金額等や合計所得金額に含まれますのでご注意ください。
上場株式等に係る譲渡損失がある方
前年分の上場株式等に係る譲渡所得等に赤字があり、譲渡損失額を翌年度以降に繰り越す場合で、所得税と市民税・県民税で繰越額に相違がある場合(上場株式等の配当等または譲渡所得等の申告方法が異なる場合など)は、上場株式等の譲渡損失明細書を提出してください。
また、前3年度における上場株式等の譲渡損失において、繰越控除額が残っており、所得税と市民税・県民税の繰越控除額に差異がある場合は、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除明細書を提出してください。